第37回動物フェスティバル

駒沢どうぶつ病院からのお知らせ

世田谷駒沢・桜新町の動物病院「駒沢どうぶつ病院」からの大切なお知らせです。なお、内容は随時更新していますので、最新の情報をお確かめください。なお、詳細につきましては当院までお問い合わせください。

第37回動物フェスティバル

11月4日砧公園で毎年恒例の世田谷動物フェスティバルが開催されました。  世田谷獣医師会支部員と世田谷区児童課の主催で動物に触れ合うことから子供たちの情操教育を深めようとする行事です。  その中で 駒沢どうぶつ病院 院長が災害時に自分の家族であるペットを守るためにという内容で講演いたしました。  詳細は以下の通りです。  是非お読みいただき 世田谷に91ある避難所である区立小中学校で動物をスムーズに避難できるような 体制を構築してゆきたいと思います。

皆様こんにちは。

ただいまご紹介いただきました世田谷獣医師会で防災を担当しています田部です。

本日はペットの同行避難に関し少しお話いたしますのでどうぞ宜しくお願いいたします。

本日も沢山の方が わんちゃん 猫ちゃんをつれてこの動物フェスティバルに来ていただきまして本当に有難うございます。

皆様にとってペットは今や家族と同様の存在だと思います。

近年 東日本大震災 新潟中越沖地震 熊本地震 広島など西日本豪雨被害など多くの自然災害が発生しており、この世田谷にもいつ震度7強の地震が起こるかわからない状態です。

ではそのような災害が起こった時に自分の家族であるペットをどのように守れば良いのでしょうか?本日はペット同行避難の現状と課題をお話いたします。

東京都では世田谷区区立小中学校91の施設を動物が避難して良い場所として定められてはおりますがほとんどの学校でペットが避難所に集まった際のルール作りがされてないところが多いのが現状です。

あちらの世田谷獣医師会のブースには避難所マップがありますので是非自宅近くで避難できる学校が何処かを確認してください。

各学校には 避難所ごとの避難運営委員や町会長、PTA地域住民などで防災対策が練られていると思いますので 是非その方たちにこの学校はペットをどのように避難できるのですか?と質問してください。

まずはこのことから始めていただきたく、安心して避難できる学校を増やしていきたいのが今現在 私たちの課題であり動物の避難をスムーズにするため、早急な準備をしなければいけないと考えております。

さてここで具体的な同行避難のお話をいたします。

まず同行避難は人と動物が一緒に避難することなのですが避難所では離れた避難スペースで過ごします。

以前テレビの映像でワンチャンを抱きながら体育館で避難している映像が映されていましたが 世田谷区の同行避難では原則、人と動物は離れた別のスペースで避難いたします。

飼い主の方はご自身の避難スペースからペットの避難しているスペースに赴いてお世話することになります。

避難してくる動物は主に犬 猫になると思います。特殊な動物を飼っている方は前もってご自身で避難方法を確保していただけるようにアドバイスしています。

勿論 その避難所が必ずしも良い環境とは言えません。校庭に雨風をよけるブルーシートを作りその下にケージに置いて避難の学校もあれば プールの更衣室を犬猫で分けて避難する学校もあります。避難所ごとにルール、マニュアルが違うのでその避難所のルールに従う必要があります

いずれにしても避難所生活はペットにとってとてもストレスの多い環境ということをご理解ください。したがって私たち獣医師は自宅が大丈夫ならば一番安心できる自宅での避難を進めております。これを自助といいます。次にお散歩仲間や親戚など知り合い同士で預かる共助。

自助のためには 自宅の耐震工事や家具の転倒落下をしないような配慮などが必要でしょうし、共助のためにはお散歩仲間などでコミュニケーションをとっておくことも必要でしょう。

そして自宅が倒壊したあるいは倒壊しそうで危険だという場合に公助である避難所に動物を連れてゆくのが良いでしょう。

いずれにせよ どうしても避難しなければならない時のための備え 準備をしっかりしておくことが重要になります。

また避難所では動物が好きな人ばかりではありません。避難所でペットが生活するにはまずは避難所でペットが迷惑をかけないようなケージトレーニング、トイレトレーニング、無駄吠えしないトレーニングなど基本的なしつけをしておきましょう。

狂犬病、混合注射、ノミ ダニ予防 フィラリア予防もしっかりやっておくと安心して避難所での生活ができるでしょう.

また狂犬病の鑑札やマイクロチップ,ペットの写真、健康手帳なども避難用品の中に用意しておくとよいでしょう。

また食事と水は支援物資が届くまでの最低3日は用意しておきましょう。

また最近はペットの高齢化が進み心臓や腎臓の薬や特別な食事が必要な場合もありますのでそのような動物たちは特にしっかり準備しお薬手帳や健康手帳も避難用品の中に用意しておきましょう。

また、これらの避難用品とケージはすぐ持ち出せるように。玄関のわかりやすいところに置いておいてください。

詳しいことは世田谷危機管理災害対策課、保健所生活保険課 世田谷獣医師会で作ったパンフレットがありますので 世田谷獣医師会のブースと 保健所のブースで配布しています。

本日は是非災害時の準備の為にパンフレットをお持ち帰りいただきご家族で読んでください。

まずは災害が起こった時に安心して避難所に動物を連れてゆけるように他人ごとではなく皆様のことなので 頑張ってゆきましょう。

ご清聴ありがとうございました。

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