症例ブログ

犬、猫の“歯”の問題

主訴:口臭が気になる、歯が茶色くなってきた、ご飯を食べるときに痛がる…等
こまめにケアをしていてもどうしてもうまくやりきれない、
なかなか自宅では難しい、 年齢重ねるにつれて口臭が酷くなってきた、
最近口周りを触ると嫌がる、ご飯を食べる時に痛がっている気がする…


デンタルケアのご相談は1年を通して、多く耳にします。
 
前回も少しだけお話をさせていただきましたが
今回は歯石が付いているとどのような状態になってしまうのかのお話しです。

 

歯石が付いてしまうと…

歯石は一度ついてしまうとなかなか歯磨きで取ることはできません。

抜歯が必要になるケースも少なくはありません。

↑ 歯石付着(重度) この子は歯石をきれいに除去していくと歯の動揺部分が出てきたため、8本抜歯しました。

↑抜歯した歯

 

それを放置してしまうと歯周病、歯槽膿漏に繋がっていき

最悪歯周病菌が体内に周り、多臓器に悪影響を及ぼしてしまう事態となります。

↑この子はかなり歯石の沈着が激しくほぼすべての歯を抜歯しました。

 

↑この子は歯石の付着が多かったものの、歯の動揺はあまり見られず2本ほどの抜歯処置をしました。

しかし歯周炎が進行していたため少しだけ歯茎が下がっている部分も何箇所か見受けられました。

 

また歯周病、歯肉炎が進んでしまうと歯茎からの出血やそれに伴う痛みで

ご飯をあまり食べなくなってしまったりと日常的な生活にも支障が出るようになります。

 

↑ 犬、猫 それぞれの歯周病・歯肉炎の症例。歯茎、歯の根元部分が赤く炎症を起こしているのが分かります。

 

 

院長からアドバイス

よく『高齢だから全身麻酔をかけての歯石除去は大丈夫…?』

『抜歯をしてご飯は食べられるの…?』と躊躇される飼い主様がおられます。

当院ではまず全身麻酔をかける前に術前の検査はしっかりと行い、人の手術と同レベルの安全なガスの使用、

気管チューブの使用、そして、しっかりとモニター管理をしての手術を行っております。

また、抜歯を行うことに関しては問題はありません。

むしろ歯槽膿漏でぐらぐらしている歯を使うことで

痛みを伴い、ご飯がうまく食べれなくなってしまいます。

抜歯することで逆によくご飯が食べられるようになったり、

何よりも口腔内環境を改善することにより身体を健康にし、

口臭もなくなるという点が最大のメリットでもあります。

当院では歯石除去をして終わり、ではなく、

その後のケアもその子や飼い主様ができることをアドバイスさせていただきます。

大事なことは嫌がることをしないで、毎日続けられることを

一緒に考え、実践してゆくことです。

 

高齢だから・・・とあきらめずにご相談だけでも一度ご来院頂ければと思います。

 

 

 

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