去勢手術と避妊手術
去勢手術と避妊手術はした方がいい?
男の子の場合
尿をあちこちにしてしまう(マーキング行動)、他の子にとびかかったりしてしまう、などの
問題行動がある場合は症状緩和のため特に去勢手術をお勧めいたします。
また、手術をすることで男の子によくある前立腺疾患、肛門周囲腺腫、会陰ヘルニアなどの
病気の予防になります。
体の小さい子だと陰嚢に精巣がうまく下りず、片側のみの子、または両方下りないケースもあります。
その場合、腹腔内や鼠径部に残ってしまい、将来的に腫瘍化してしまうケースもあります。
降りていないから、ではなく
どこに残ってしまっているのか、手術はどのタイミングでやっていくのが良いかを
きちんと相談し、進めていく事が大事になります。
→手術当時:生後6か月齢 右鼠径部陰睾丸
腹腔内に残っている場合は開腹手術での摘出になります
→検診当時:14歳未去勢 前立腺肥大
排尿障害 頻尿 尿路感染症などを引き起こしていました。
女の子の場合
生理出血(犬)、ねこちゃんだとみられるのは発情期、という症状が現れます。
女の子は初めての発情、生理前に手術を行うことをお勧めしております。
その時期に手術を行うことにより、
高齢になってからの乳腺腫瘍発生率(猫は85%が悪性の乳がんと言われています)、
子宮卵巣の病気のリスクを下げることができます。
避妊をしなかった場合、『プロゲステロン』というホルモンの関係で
子宮水腫、子宮内膜肥厚や 粘液、膿が溜まる子宮内膜症、
そして最悪、子宮蓄膿症になってしまうことがあります。
こうなってくると手術のリスクも高くなってしまうので、
病気を防ぐ意味でも手術をすることを早めにお勧めしております。
→手術当時:11歳 陰部が常に濡れていることに気付き受診
レントゲンやエコー検査の結果から子宮蓄膿症と診断
→手術当時:4歳 食欲低下、飲水量の増加に気付き受診
検査実施したところ子宮蓄膿症が疑われ手術。
切除後、切開したところ子宮の内膜が肥厚しているのが確認された
院長から
最近、麻酔が怖い、抵抗がある、メスを入れるのが可哀想…等の意見を聞くことがあります。
その意見だけで将来、リスクが高い状態での手術をすることになるかもしれません。
わんちゃんねこちゃんたちの身体の負担等を考えるとどうでしょうか?
全身麻酔は現在、人と同じレベルでの安全性を確保でき、
高齢の子でもモニターをしっかりすることにより安全に麻酔下での手術を行えます。
発情に伴うストレスや問題行動、病気のリスクを考えると
手術を行うことが、将来長く一緒に過ごせるきっかけにもなるのではないかと考えています。
もしやっていたら…と後悔はしてほしくありません。
若いうちから病気を予防していく事は後々大きな意味になってくると思います。
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当院では去勢・避妊手術を生後6~7か月齢に行うことを勧めております。
男の子の場合、女の子の場合でそれぞれお話しさせていただきます。